アカデミックライセンスの話

ちなみに、「Mathematica」や「MathLab」、「Maple」、「SAS」等も、アカデミック・ライセンスならば、安く入手できるのです。「なぜ安く入手できるのか?」といえば、そのソフトを使って営利目的の仕事をしないからというのが一般的な理由です。2次的な理由としては、学生時代も含めてそのようなソフトに慣れてもらうことによって、研究面でのサポートであるとか、将来企業等へ就職した際に、そのようなソフトウエアの採用が期待されるという側面もあると考えられるのです。2次的な理由に関しては、上記に挙げたような目的が発生するのは、開発及び商品化の初期の段階だけであると考えることは妥当でしょう。すでに有名になっているソフトウエアであり、ハードウエアですから、非営利目的での使用という目的であり、学術等への理解であり、貢献であると考えることは妥当です。
なぜならば、
1.このようなソフトウエアが使用されることによって、論文等で引用されること。
2.開発者への高度なフィードバックが期待できること。特に、学術や研究開発等の目的では、かなり高度な使い方をされます。そのことによって、より高度な使い方であったり、問題を的確に掴むことが可能になる。
3.何より、開発者の方々が研究者であり、自分達の研究室時代における苦労を知っているからこそ、性善説で提供ができる。

この3点であると考えてみたのです。

これは、ソフトウエアに限らず、ACMにしてもIEEEにしても、学術協会と言われるものは全て同じ。こちらの場合には、論文発表であるとか、学会発表の場を提供してくださっているのです。ゆえに、学生諸氏が受け取れる奨学金をはじめとした資金が非常に少ないことを念頭において、会費を安くしてくださっているわけです。
企業の場合には、その会費に関しては、企業活動費から出ることになっています。つまり、研究開発費と呼ばれる費目の中からです。ゆえに、研究開発費として支出することができるわけなのです。つまり、これらの活動費に関しては、会社が出してくれるならば、話は別なのです。私自身は、「JAPIO時代」には縁がありませんでしたが、「パトリス時代」には部下のために、経理と交渉して予算をやりくりした記憶があります。確か、出張用のパスポート代も請求された記憶があります。学会活動費や受託研究用寄付金、さらには出張旅費まで・・自分の懐には入れた記憶もないし、むしろ自分のポケットマネーで何とかしてあげたこともありました。

まあ、あほな上司でしたから。でも、今はフリーだから、何も出来ないですけどね。